近年、宇宙開発が大きな転換点を迎えています。これまで宇宙開発は国が主として進めてきたものでした。しかしながら今日、ispaceやSpaceXなど民間の企業が宇宙開発において大きな成果を挙げるなど宇宙開発は私たちの身近な所から行われる時代になっています。このことは、宇宙開発を加速させるうえで大きな意味を持ち、これまで国の政治や予算によって左右されてきた宇宙開発がより自由なものとなり、宇宙関係人口も増加することにつながります。このような時代において求められているのは、グローバルな視点から宇宙開発の現状を工学的・理学的に理解し、さらに法律や知的財産の側面など、技術やアイデアを形にするための手段を分野横断的に把握している人材であると考えます。
これらの人材を育てるため、本ゼミでは宇宙ビジネス市場への理解を工学・理学面から見た宇宙開発、そして知財やファイナンス、事業計画/分析などアイデアを形にするための最低限の知識と宇宙ビジネス市場を読み解く力を養います。
このゼミはアイデア創出や事業計画の立案といったアントレプレナー養成だけでなく、宇宙産業に関心を持つ学生が 事業分析の視点から 宇宙ビジネスの理解を深め、実践的な仮説検証力を養うことを目的としています。
約8週間の事前学習では、宇宙開発の歴史や市場構造、国内外の宇宙ベンチャーの現況を広く学んだのち、特定企業のビジネスモデルや財務状況を深掘りしながら、分析フレームワークの活用も実践します。最終週には、対象企業や関連分野の関係者へのインタビューを通じて現場の視点を取り入れ、仮説の精度を高めることを目指します。その後の5日間の合宿では、少人数のチームに分かれて設定した仮説をもとにデータや文献、インタビュー内容を活用して課題検証と改善策の提案を行い、最終日にプレゼンテーション、または現状の宇宙ビジネス課題と特定企業の事業分析、改善レポートを発表します。一連のゼミを通じて、宇宙ビジネスに対する俯瞰的な視点と事業分析スキルを身につけることができます。
最終的な企業分析レポートの提出により評価する